橋本社長ブログ「子々孫々」

いまさら聞けない「地鎮祭」

2021年9月7日


広島の工務店、橋本建設㈱の橋本です。

今回は地鎮祭についてお話ししたいと思います。

注文住宅を建築する際に行う神事ですのでお施主様はほぼ一生に一度あるかないかの地鎮祭。

地鎮祭は建築現場の氏神さまにあたる近くの神社にお願いすることが多いので神社さんによっての違いがあります。
お施主様はほぼ初めてのことなので違いは判らないと思いますが我々工務店は年に何度も参加するのでよくわかります。

神社さんによっては神主さん一人でなく巫女さんも同行されます。
式の進行が早い神社さんもいれば作法や意味などを丁寧に説明されとても丁寧な神社さんいます。

BGM(雅楽)にカセットテープを使ったりスマホを使ったり、巫女さんが琴のようなものを奏でたり笛を吹いたり。

祝詞などの読み上げ方にも抑揚をつけたり声色を変えたりと特徴があります。

供物(お供え物)に力を入れている神社さんもあります。

実は結構な個性があります。

そもそも地鎮祭とは建物を新築する際にその土地の神様(昔の日本は神道で様々なものに神が宿ると信じられていた多神教でした)や建築の神様に工事の報告とお清め、安全をお願いするもので、基本は同じものです。

宗教によっては地鎮祭とは言いませんが似たような式はあります。「起工式」ということもあります。
お寺の場合はお経をあげますし、キリスト教などでは牧師さんが来て皆で讃美歌をうたいます。

いずれにしても工事の安全を祈願するのでやっておいた方が良いでしょう。

広島の場合は一般的に「玉串料」「初穂料」として3万円、供物を神社さんに用意してもらう場合は3.5万円が一般的です。

地鎮祭の準備としては

依頼する神社さんをどこにするか工務店と決めます。
その際に参加される人数を伝えてください。
おめでたい事なので同居される家族だけでなくご両親や親戚も参加される場合もあります。

日時に関してはお施主様都合で構いませんが日取りを気にされる方は大安や友引などカレンダーの六曜吉凶で選ばれると良いかもしれません。
ちなみに神主さんに地鎮祭で六曜を気にすべきかと聞いたところ「あまり気にしなくて良い」との事でした。
なので都合の良い日時が「仏滅」だったとしても問題はありません。まぁ、神主さんに来てもらってお祓いしてもらうわけですから関係ないのかもしれませんね。
ただ、建築に適さない日というのがあります。

それは「さんりんぼう」です。 漢字で書くと「三隣亡」 三軒隣まで亡ぼすというもので近隣に詳しい方がいると苦情が出るかもしれませんし、我々も苦情が出るのはまずいので「地鎮祭」や「上棟」などの節目の日は避けるようにしています。

服装は神事なのであまりラフなものは控えた方が良いと思います。
Tシャツ、短パンにサンダルなどは避けましょう。
襟のある服装の方が良いと思います。

式に必要なもの
神社さんによりますが準備物は「初穂料」「玉串料」だけで良い場合が多いです。
広島の場合、供物は神社さんにお願いすることが多いですし、式に必要なものは神社さんと工務店が準備します。

テントや椅子も準備しますので雨が降っても基本的に開催します。
橋本建設の場合はより本格的に「手水」も行っております。
式に参加する前に手清めて入場してもらうためです。神社にだいたい手水舎はありますね。

式の流れは
●修祓(しゅばつ)
●降神の儀(こうしんのぎ)
●献饌(けんせん)
●祝詞奏上(のりとそうじょう)
●四方清め祓いの儀(しほうきよめばらいのぎ)
●地鎮の儀(じちんのぎ)
●玉串奉奠(たまぐしほうてん)
●撤饌(てっせん)
●昇神の儀(しょうしんのぎ)
●神酒拝戴(しんしゅはいたい)
●神職退下(しんしょくたいげ)
●記念撮影
で時間は約30分かかります。

●修祓 
地鎮祭に使うものや参加する人を清める儀式です。
頭を下げてお清めしてもらいましょう。

●降神の儀 
神様に仮殿(仮の神殿)に降りてきていただく儀式です。
神主さんが「おぉーーーーーーーーーーーーーーー」と大きな声を出されるので皆さん驚かれます。
これは神様が仮殿に降りてこられるのを表しています。
なぜか風が吹くことが多いです。
これも頭を下げましょう。

●献饌
降りてこられた神様をもてなすためにお酒や水の入った容器の蓋をあけます。
ただ蓋を開ける動作なので初めての方は何をしているのかわからないかもしれません。

●祝詞奏上
神主さんが祝詞(のりと)を読み上げます。
神様に工事の報告と安全などを祈願します。
内容をよく聞いていると土地の神様や氏神様などの神様の名前も出てきますし、とにかく丁寧にお願いしているのが伝わってきます。土地の地番、お施主様の名前、工事をする業者の名前もでてきます。
これが一番時間がかかるかも、、、

●四方清め祓いの儀
神主さんが土地の四隅を清め、(四方の神様にお供えの意味も)てくれます。
お清めには「酒」「米」「塩」「切麻(きりぬさ)」を撒きます
「切麻」とは紙吹雪と麻の繊維を細かく切ったもので昔はどちらも貴重なものでしたのでそれを神様に捧げる意味もあるようです。この切麻はお祓いにはかなり強い力があるのだとか、、、
混ぜたものを使う神社さんと別々に撒く神社さんがあります。
順序は北東の鬼門から時計回りにお清めします。

●地鎮の儀
いよいよ着工。という儀式です。大きく分けて4つの儀式があります。
①斎鎌(いみかま) 盛砂に立てられた草を刈る真似をします。「えい!」「えい!」「えい!」と3回掛け声を出して刈り取ります。掛け声の「えい!」は「栄」と書けるので「栄える」ことを意味するので恥ずかしがらずにしっかり声を出しましょう。抜いた草は横に置きます。設計事務所の場合は設計事務所の先生が行いますがいない場合は奥様にしてもらうことが多いです。
②斎鍬(いみくわ) 草の無くなった盛砂を鍬で崩します。これも3回、掛け声とともに行います。実際に砂を崩してもらいます。これはお施主様の代表にしていただきます。
③斎鋤(いみすき) 耕した土地を均す儀式です。施工業者の代表が行います。これも掛け声とともに3回行います。
私の場合はしっかりはっきり大きな声で「えい!」と声を出すよう心がけております。
それぞれの3回は「左」「右」「左」の順に行います。
この儀式で使う「鎌」「鍬」「鋤」のほとんどは木製の儀式用のものですが神社さんによっては本物を持って来られる事もあります。
④鎮物埋納(しずめものまいのう) 神社さんが持って来られた鎮物を盛砂に埋める儀式です。「鎮物」とは昔の宝物のようなもので地面に埋めることで土地の神様に鎮まってもらうためのこのです。「鎮物」の中身は神社さんによって異なりますが多くは人形、剣(長刀、小刀)、矛、盾、鏡、玉がかたどられた物です。

●玉串奉奠
このときに多くの神主さんはBGMの雅楽を流されます。
神様が宿ると言われている「榊」という木の枝に和紙で作った「紙垂(しで)」や麻ひもを巻いた玉串を神様に捧げます。
玉串の切り口を神殿に向けるように時計回りに回して棚に置いて「二礼 二拍手 一礼」をします。

これが終わると「ブチ」っとBGMが止められます。

●撤饌
神様へのお酒や水の入った器に蓋をしてお供え物をおさげします。ただ蓋を閉めるだけです。

●昇神の儀
神様にお帰り頂く儀式です。ここでも「おぉーーーーーーーーーーーーーーーーー」と大きな声で神様が昇って行かれる様を表現します。
これでほとんどの儀式は終了です。

●神酒拝戴
お供えで使った神酒を参加者全員で分け乾杯します。広島ではほとんど神社さんが音頭を取ってくれます。
最近では車の運転もあるので飲む必要はありません。口を付けて残りは土地に撒いてください。(お清めになります)

●神職退下
神主さんが退出されます。(が、記念写真でまた戻ってきてくれます)

●記念写真
せっかくの地鎮祭なので記念写真を撮りましょう。

ここまでが地鎮祭となります。
ながながと書きましたが実際は工務店のスタッフに聞けば簡単です。
式の途中で分からなくなっても横で神主さんが教えてくれますので安心してください。

当日、地鎮祭の後は地縄確認(建物の配置の確認)と近隣の挨拶回りをすることが多いです。
挨拶回りの詳細はまた後日!

広島の注文住宅、リフォームは地元の工務店「橋本建設㈱」に是非ご相談ください!
ではまた!

代表取締役社長  橋本英俊

代表取締役社長 橋本英俊

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