橋本社長ブログ「子々孫々」

ウッドショック その後

2021年9月1日


広島の地域工務店、橋本建設の橋本です。

以前ウッドショックのお話をさせていただきました。

昨年末からの木材価格の上昇はまだ終わりを見せていません。

年内でいったん価格が落ち着くと見る専門家もいれば、終わりはまだ先だ、という専門家もいます。
上がった価格は下がるという専門家もいれば上がったままという専門家も。

われわれ建設業界の者からしても本当に困った状況であることには違いはありません。

いずれにせよ輸入材で作られる集成材や合板などはまだまだ品不足が続くと思われます。

ウッドショックと言われてから数か月。世界情勢的にどんな変化があったかというと、、、
いろいろと変化はありましたが依然なんら解消されていません。

コロナ禍でアメリカでの住宅ブームなどでアメリカ国内での木材需要が急激に上がったことによる木材価格の急上昇、輸出の縮小、コンテナ不足で依然輸入量は少ないままです。

現在、アメリカの住宅ブームも価格が上昇しすぎて頭打ちし、マネーゲームで高騰した木材の先物取引価格はピークを終えて下がってきています。大規模山火事が起きて価格がさらに上昇するかと思われましたが今のところそこまでの影響はないようです。

ただ、これから輸入される木材はまだ価格が高騰していた時期の物なのですぐに価格が下がるということはありません。

日本の杉丸太を高く買う中国に大量輸出していましたがここへきて中国の港にも木材が余り始めたため買い控えが始まり、買ってくれなくなったとの情報も入ってきているのでいずれ国産の杉丸太の国内流通量は増加すると思いますがそれがいつになるかは、わからない状況です。

当社はもともと集成材の使用量はほとんどなく、地元、広島の木材屋さんで取引をしており、価格は上がっておりますが何とか遅れながらでも木材は入ってきております。(昔からのお得意様との取引を大切にする日本人の気質に助けられていると感じます)
関東などでは着工のめどが立たない工務店もあるようで広島の住宅事情とは差があるようです。

木材だけでなく、金属関係も品薄、価格上昇があります。(中には便乗値上げ?と思えるものも)
建築系ではガルバリウム鋼板、鉄筋、鉄骨、電気の配線などの金属系、住設関係で使われる半導体、給排水などの配管に使われる塩ビ関係、塗り壁の素材などなど上昇率はバラバラですが確実に上昇しています。

この状況がいつ改善するか誰にもわかりませんが、恐らく元の価格に下がるということはもうないと思います。

住宅計画を先延ばしにすれば今より安く建てられるか、というとそうでもありません。
人件費の拡大もあるでしょうし、国からの援助なども(コロナ対策、災害対策での財政難で)この先あまりあてにはできなくなってきます。
建てられるときに建てる、と言うスタンスでその時、その時の資金計画で大丈夫なら計画を進めるべきだと考えます。

その大きな理由としては住宅ローンの金利、優遇措置です。
建物の金額が上がったとしても住宅ローンを利用する場合は「最終的にいくら支払ったか」が建物の実際の金額と言えます。
建物の価格がいくら安くても金利が高ければ総支払額は増え、結果的に大きな金額を支払うことになるからです。
住宅ローンの金利はここ20年下がり続けて今がピークと思えるくらいの低金利です。
金利が上がる前に住宅計画を進めるのが得策かもしれません。

とは言え住宅建築にかかる費用が増えてしまっている現状、ただ消費者、建設業界が振り回された、という事の無いよう、この機会に国産の木材の利用価値が再認識され、適正な価格で流通され、山や林業が活性化されることを願っています。国産の木材を必要な分だけ使い(過剰に建売を作らない)使った分の植林をしていく適正な木材利用ができる国になっていって欲しいとおもいます。

カテゴリ:

代表取締役社長  橋本英俊

代表取締役社長 橋本英俊

月別投稿