ウッドショック
2021年4月18日
木材価格急騰!木材不足!?
メディアではまだあまり取り上げられていないので初めて聞く言葉の方もいらっしゃると思います。
現在、住宅業界で大問題になっているのが「ウッドショック」と言われる木材の価格高騰と木材不足です。
インターネットなどで「ウッドショック」という言葉を検索していただくと多くの業界の人が発信されていますのでよろしければ調べてみてください。
JBN仲間で私の先輩であり友人の横浜の工務店「あすなろ建築工房」の関尾さんがYOUTUBEで分かりやすく解説してくれていますので見てみてください。
簡単に言うと「新型コロナウイルス」と「アメリカの住宅新築が過去最大の好景気」の影響でおこった木材の価格高騰と木材不足のことです。
新型コロナによる影響ではコンテナ不足(コンテナ、運送、人間の不足)、中国の一歩早い経済回復、落ち込んでいなかったアメリカの経済で物流が2国に集中してしまったこと、運搬船数などがあります。
「アメリカの住宅新築が好調」なのはコロナ禍での巣ごもり需要や過去にない低金利、ライフスタイルの変化などで家を建てる人が増えたことに起因します。DIYで木材を使う人も多くアメリカの大手のホームセンターでは過去最大の売上高を記録しているそうです。
そもそも日本の家は日本の木で建てていました。戦後アメリカの圧力でかなり安い関税率で木材の輸入が始まり数をこなす大手メーカーは安く安定して供給される輸入材を使うようになりました。
それに合わせて日本の家の多くが横架材(梁など)に米松を使うようになってきました。
本来輸入される木材ですが日本の商社は、国内のコロナ鎮静化が不透明なのに木材を多く輸入することはできないと判断したのか買い付けをあまりしなかったようです。そこへ一足早く経済回復宣言をした中国が購入に名乗り出たわけです。
もともと品質にうるさく値段も安く購入しようとする日本より言い値でバンバン購入してくれる中国に売った方が良いということで完全に買い負け状態になっているようです。
木材の輸入先はアメリカやカナダ、ロシア、ヨーロッパなどです。
国内の集成材会社やプレカット会社は、この原材料が入ってこないわけですから工場を止めたり減産したりしています。業界としては輸入材の不足から代替品として国産の木材を使うようになります。
大手の建売業者の3社は協同組合を作って構造材を外国産材から国産材へシフトしました。
年間数千棟を建てる業者がタッグを組んで物流の川上を抑えに来ている状況です。
このままでは国産の木材も不足することが見えてきます。
年間十数棟レベルの工務店ではどうしようもない事態になりそうです。
では住宅をご検討されている方は計画を延期したほうが良いかというと、そうとも言えません。
いま木材は日増しに金額が上がっています。(便乗値上げも出るかもしれません)これが数年後に安く元の値段に戻るかというと恐らく戻らないでしょう。高止まりをしたあとそのまま横ばいになると予想されます。であれば工期は約束できないかもしれないが早めにフィックスしておいた方がよいと思います。
今後着工されるお客様には工期の延長もあり得る、材料も代替品になることもあり得るという「合意書」を交わしていただくようになると思いますのでご協力お願いいたします。
また状況が変化しましたらお知らせしたいと思います。
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