


なぜ木造りの家が良いかといいますと、それでは『理想の住いとは?」と考えることで整理してみましょう。
理想の住いの条件をあげてみました

わが国は、世界有数の地震国です。 記憶に新しいと思いますが、平成13年3月には安芸灘地震がありました。
その後新潟地震、福岡地震、宮城沖地震など次々と震度6弱クラスの地震が発生しております。
地震時や災害時に自宅の中で、大怪我や不幸な死亡事故が起きないことが、理想の条件です。 木材は基本的に他の構造材に比較して弱いと思われていますが、これがとんでもない誤解であることは前項の構造材比較表でお話しました。 地震の時には、重い建物ほど地震のエネルギーを多くうけるため、軽くて強い木材の特性は非常に有利になります、地震力や風圧力は主に壁が受け持ちますので、壁や、すじかいなどを、バランス良く配置することで、木造住宅は十分な安全性を確保することが出来ます。
高齢になると歩く際、すり足になって、ひざが上に上がりにくくなりまして、わずかな段差(5〜10mm)でつまずき、ころびます、又、目が見えにくくなるので、段差をつけるのなら高齢者にもはっきりと確認できるくらいの高さが要求されますが、その位の物理的バリヤーを除くことは、誰でもわかっておりますし、やっております。
しかし、もっとも恐ろしくて目に見えないバリヤーに付いては、案外軽く扱われております。
それは、冬場における室内の温度差というバリヤーです。
高齢者の自宅内における事故死者は、毎年1万人以上もいるのをご存知でしょうか、交通事故死者は2007年、8千人を切っていますから、実に交通事故死者より多くの方々が自宅におけるアクシデントで、なくなっておられます。
下のグラフをご覧下さい。![]() <2003年資料 住宅内事故死者グラフ> |
![]() <2003年資料 住宅内死者年齢別分類> |
このデータから、事故の直接原因以外に脳梗塞や、心筋梗塞など、室内の温度差が原因で、高齢者に転倒死や溺死に至ったと考えられるケースが非常に多いことが指摘されております。
トイレでの転倒死や、浴室での溺死などは、ご家族の方も余り公表されませんので、問題にされにくいのですが、自宅内の温度差が、高齢者の血管に与えるダメージが、段々クローズアップされてきましたので、ご理解いただけると思います。
このことを解決する為には、室内の温度差を極力少なくすることが有効です。
木の耐久性につきましては前項(木の長所、欠点)でお話しました通り鉄やコンクリートに比べて圧倒的に優れていることは、お分かりいただけたと思います。
居住性に最も大きな影響を与えるものは、空気の鮮度及び温度と湿度です。そしてそのコントロールに必要なものは、換気の性能と断熱性能それに調湿性能です。
下表をご覧下さい。どのような構造の建物でも特別気密性能向上の手段を講じなければ自然に部屋の空気は入れ替わります。気密性を高くすればするほど自然換気回数の数値は小さく(換気されにくく)なりますので、強制的に機械による換気が必要になり、ビル並みの吸排気ダクトによる大掛かりな設備が必要になります。
| 構造の種類 | ![]() コンクリート造り |
![]() 木造大壁造り |
木造真壁造り |
![]() 木造板張り |
| 外の風速メートル/分 | 0〜0.5 | 0〜0.5 | 0〜0.5 | 0〜0.5 |
| 室内外温度差 | 5℃以下 | 5℃以下 | 5℃以下 | 5℃以下 |
| 自然換気回数/時 | 0.3〜1.0 | 0.5〜1.5 | 0.5〜3.0 | 1.5〜4.5 |
ビルなどは窓や開口部からの換気は計算せず、365日密閉された建物として室内空気環境を計画しますので、ほとんどの外断熱工法はビルと同じ換気計画をすることになります。
(平成15年に施工された改正建築基準法でも365日24時間の機械換気設備を義務付けております)
住宅で一年中このような密閉された生活は決して居住性が良いとはいえないでしょう。
夏は涼しく、冬は暖かく、春や秋は窓などを開放して自然の風を取り入れた生活が出来る家が居住性の良い家だといえます。
木造住宅は値段が高いか、それとも安いか、いろいろ議論が分かれると思います。お施主様からみた購入価格は、鉄骨住宅や、コンクリート住宅とほとんど変わらないと思います。つまり、建物の価値と値段は一致しておりません、なぜなら、木造住宅の場合、構造材は我々が値段を決めるのではなく、林業市場で購入するわけですから、この部分はお施主様が購入された場合と、スケールメリットがあるくらいで余り大きくは違いません、一方、鉄骨やコンクリートはお施主様では単価は判断できないでしょう、ここが問題なのです、つまり構造の部分では鉄骨などは木材に比べて相当安く出来ているのにもかかわらず、木造の金額と同じに設定されています。良くも悪くも木造住宅の金額が基準にされているのです。
仕上げ材はほとんど同じようなものです。木材は自然がはぐくみ育てて行くものですが、建築の材料として利用できるまでに、相当の年月と手間を必要とします、それを考えると、木材は本来もっと高く評価されるべきなのに、その割には安いといえると思います。先ほどから述べた通り、木材の持つ優れた性能や耐久性からして、実質的には圧倒的に安いと思います。

維持管理のし易さについては、増改築のしやすさなどと合わせて、もう木造住宅の独壇場の感があります。どのようにも応用が利きますし、自由に材の取替えや補修も出来ますし、後々の生活事情にフィットさせられる住宅は、木造住宅しかないといっても過言ではありません。